研究目的
新しい(経済)思想を生産し、学問および人類社会の健全な発展に寄与することを目的としています。
研究紹介
私のもともとの研究テーマは、広く言えば、動学的一般均衡理論とその応用です。動学的一般均衡理論とは、学部のミクロ経済学でお馴染みの価格理論に時間の流れを加味して拡張した理論で、最適成長理論をベースにして近年飛躍的な発展を遂げています。また、国際経済学、金融論、財政学など多くの応用分野で広く活用されています。動学的一般均衡理論の数理的な側面の研究で博士号を取得後、応用色を強め、マクロ財政学といわれる分野に参入しました。その視点から、2国間のインフレ率の連動性、少子化や経済成長、税制の国債動学、政府債務の返済可能性、インフレ率などへの影響を研究しました。
最近では、理論の数理的な側面への興味から、無限次元Hilbert空間、Banach空間、そして完備距離空間を舞台とした非線形関数解析学や不動点理論に興味を持ち、非線形写像の不動点定理や不動点への収束点列の構成方法の研究に取り組んでいます。このような研究は、経済学で現れる均衡や最適化問題の解の存在・近似問題へ応用できます。理論・応用ともに今後さらに深く広い発展が期待され、世界中で活発に研究されている分野となっています。
著書
🔷"Inequality and Finance in Macrodynamics" (B.Bökemeier and A. Greiner eds.) (2017)
Springer社の"Dynamic Modeling and Econometrics in Economics and Finance"という研究書シリーズです。
この本の中の、"Sustainability of Public Debt in an AK Model with Complex Tax System" (page 159-176) という論文を執筆しています。